活動のご報告2〜スタジオmmk式アカデミック・アドバンスドクラス〜

こんにちはこんばんは。

またまた少し間が空いてしまいそうになりましたが・・
前回に引き続きこの頃の活動のご報告です。

今回はスタジオmmkのアカデミック部門である靴作り教室、
のさらなる発展形としてこの春から始めたアドバンスドクラスに
ついてです。

簡単にいうと、靴作りの専攻科のような感じです。
でも学校ではなく、あくまで靴作りの深掘り。
正確にいうとスタジオmmkのモノ作りをより
細かく伝えて行くクラス。

学校とは異なるので、専門クラスという表現も
違うかなと思い、スタジオmmk式アカデミック・
アドバンスドクラスという名目にすることにしました。

(元々、靴教室や革小物ワークショップを
スタジオmmk式アカデミックと呼んでいました。
言葉遊び好きが高じてなんでも名前を付けたがる
癖があるもので・・特に深い意味はありません。。)

さて、本題。

靴作り教室は3時間のクラスを月に4回、それぞれの
ペースで靴やカバン、小物類を作る場として開催していますが
長く通ってくれている生徒さんの一人から、靴作りをもっと
深掘りしていきたいとの相談を受けたのが昨年のこと。

「え、私たちでいいの?というかうちで大丈夫なの?
他にもいいところ色々あるよ!」

なんて言葉があっさり出てしまったぐらい、靴工房運営
20年も経つにも関わらず、まだまだ作り手の下っ端と
いう心持ちのままでいた私にとって嬉しいと同時に驚きが
隠しきれず。

というのとは裏腹に、モノづくりを続けて来た中で
技術がないとできないこと、技術があるだけじゃ
どうにもならないこと、足りないことから見えること、
そもそも技術以前の話とか、モノコトの捉え方などなど・・

モノ作りを通して持てるようになったクリアな目線を
伝えて行くこともものづくりの指導者の役割なんじゃないかと、
ここ数年感じてもいて。

ただ靴教室は基本的に楽しくものづくりと向き合う場のまま
にしておきたいな、と。ものづくりは楽しさを見出すほど苦しさも
生まれるのが現実なので、教室の皆さんとも良き関係を築けているし
このままのスタイルもいいかなとという思い始めていた矢先の
今回の相談。

今こそ自分たちのものづくりをこれまでと違った角度から
伝えられる良いチャンスなんじゃないのだろうか?と自分自身に
問いかけ、アドバンスドクラスという名義で始めることにしました。

始まったばかりでまだまだ手探り状態なのもあり、
今はまだ自分たち側からの目線が優先となってしまってますが、
せっかくもらった良い機会なので忘れかけていた指導を
受ける側の視点を思い出していけたらなとも。

まだまだ続く(と思っている)自分たちのものづくり人生。
今回新たに始めたプロジェクトを通して、新たな視線が
持てるかな?と自分自身にも期待。

アドバンスドクラスについてはまた書いていこうと思います。
引き続きよろしくお願いします。

なお、アドバンスドクラスは現時点では定期募集は特に
考えてはいなくて、靴教室でのものづくりを通してもっと
深掘りしていきたいなと思ってくれた方との個別対応と
していくつもりです。まずは靴作り教室へご参加いただき、
スタジオmmkのものづくりを知ってもらえたら嬉しいなと
思います。よろしくお願いします。

靴作り教室についてはこちらから。
生徒さん作の靴や鞄のページはこちらより。

活動のご報告1〜靴屋のエプロン〜

こんにちは、こんばんは。

前回の投稿でも書いたのですが、2022年に取り掛かったこと
2023年に取り掛かることを少しずつこちらに残していきます。

時系列が前後したり、後は季節感が外れてたりとあるんですが・・
軽やかにお付き合いいただけたら嬉しいです。

まずは、これまでもこのブログでも話題にしてきた
靴屋のエプロンについてです。

おかげさまでこの春で工房を構えて丸20年。

腰紐を締め直し、この先の20年もしっかりとでも軽やかにものづくりと
向き合っていきたいという気持ちを込めました。

この度製作した分は全て完売となりましたが、
活動のご報告として、また今後製作することになった場合の
カタログのような位置付けとして、こちらに記録させてください。
(たくさんのご利用をありがとうございました)

以前に投稿した内容と少し重複する部分のありますが改めて
よろしくお願いします。

以下靴屋のエプロンの詳細です。
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とにかく作業をする上で、できるだけ着用という点でも
作業着としてもストレスが少ないエプロンを目指して作りました。

もちろん、「靴屋の」なんてつけてますが、別に靴屋だけのためでなく
どんな立場の方にも気軽にでも便利に使っていただける一枚に仕上がりました。

形は至ってシンプルはホルタータイプで腰紐で留める形です。

ですが、よくあるエプロンを作っては話にならず。
これまで不便を感じていた点を洗い出し、改良しました。

まずは首紐。


首紐自体を外せるように、そして長さ調整がしやすいように
各側2段階計4段階で長さ調整をできるようにしました。


作業によって理想の首紐の収まり(正確には胸当て部分の収まりぐあい)
は異なるため、細かく変えられるようになって作業がグッと楽になりました。

また、外せることで首紐だけを洗濯、というお手入れも可能に。
(洗い替え用にスペアもお付けしました)

首紐を外せるようにしたことで、胸当て部分を内側に折り返して
使うとギャルソンエプロンのような使い方も。


この使い方は想定外でしたが、首紐が裾から出てこず便利だなと思い
お求めくださった方にもおすすめしました。

そして今回このエプロンを作る上で一番力を入れたのはポケットです。

一般的にエプロンのポケットは前面の胸部、または腹部あたりに
取り付けられていることが多いのですが、靴づくりにおいてとても
融通が効かないなといつも感じていました。屑はたまるし、靴に当たるし
座ったままだと物の出し入れもしづらいし・・
かと言ってポケットがないのは融通の効かなさを超える不便さ。

そこでどこにどのような形状のポケットがあると便利だろうかと
考えた時に、カーゴパンツを履いた時のあのポケットの便利さを
思い出し、着用した時にお尻の辺りに来るように立体型のポケットを
つけました。

屑は入らないし、ポケットに電話を入れておいても座ったままでサッと
取り出せるし、立ちっぱなしの時に持て余してた手もポケットに
すっと手を入れておくとなんか落ち着くし、食べたお菓子の個包装袋も
サッと入れられるし・・といいことづくめ。

このポケットがこのエプロン作りでの一番の手間でしたが一番の達成感です。

なお、今回ご用意したのは全部で8色。


左→右
ネイビー→モーブ→グレー→ピンク


左→右
カラシ→カーキ→ブラウン→黒

素材はリネン100%の厚地のものを探していたところ、
「冬リネン」と呼ばれる生地を起毛させた理想的な厚地で柔らかい
素材に出会いました。

近江麻で有名な滋賀県で織られた麻地を大阪の泉州で仕上げの加工を
されたものとのこと。

この生地を加工している大阪の工場は元々はウール素材を起毛させる
技術が高い工場とのことで、実際にその程よい起毛具合のおかげで
洋服に程よく乗っかり動きを妨げず、着用ストレスがより軽減されているな
と感じています。

布の世界はまだまだ勉強が足りないことが多いですが、理想を求めて
探し続けていると革と同じように偶然出会えるということを再認識でき
そしてまた一つ信頼できる業者さんと出会えた嬉しい活動になりました。

元々は全ての詳細をお伝えした上で販売開始となるべきでしたが・・
こちらの諸事情によりご紹介前に販売終了となってしまったことは
不手際だったなと反省しています。

気持ち的にはなかなか大きい仕事だったので、当分布仕事をやることは
ないとは思うのですが、反響もいただいたのでまたいつか何かのタイミングで
製作することをお約束して活動報告を締めたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
改めまして、これからもスタジオmmkをよろしくお願いします。